抗がん剤が がんを増殖させる

がん治療に際して、ある種の抗がん剤を継続的に使用すると、 グリオーマと呼ぶ脳腫瘍が増殖し易くなってしまうことが、解明された。

問題となった抗がん剤は、脳腫瘍の治療に使われる「テモゾロミド」。

脳瘍を手術で切除した後にがんが再発した患者に 抗がん剤「テモゾロミド」を使い続けると、 特定の遺伝子変異が発生する。 さらに抗がん剤治療を続けると、この遺伝子変異のがん細胞が蓄積してしまい、 再発時に腫瘍の増殖に関する信号伝達を活発にしてしまうのだ。

つまり、抗がん剤の使用中によって、 遺伝子の変異が修復されずに残り、脳腫瘍が増え易くなってしまうのだ。

抗がん剤「テモゾロミド」には、 がんを小さくする効果があるのだが、使い方の工夫が不可欠になったと言えるだ ろう。

抗がん効果はある一方で、継続使用すると逆のがん増殖効果を持つようになると いうのは、一考を要するだろう。抗がん剤は、一定期間投与したら、 別の抗がん剤へと切り替える等の使い方の工夫が必要なのだ。

がんを増殖する抗がん剤の"副作用"に関する論文は、 東京大学と米カリフォルニア大学サンフランシスコ校がまとめ、 米科学誌サイエンスへ発表された。


デジカメで小児がんを発見する方法

小児がんの一種に網膜芽細胞腫というがんがある。 早期発見で手術できれば95%以上の生存率だが、 発見が遅れがん細胞が脳転移すると命を脅かす恐ろしいがんだ。

この小児がんはがんが進行すると、 視力低下や失明といった症状が出るが、このような症状が出るまで進行してしま うと、治療が非常に困難になる。

網膜芽細胞腫という小児がんは、 細やかな自覚症状を訴求できない子供に代わって、 保護者が異常に気を配って早期発見、早期治療せねばならないのだ。

しかし、この小児がんを簡単に安く一般の保護者でも早期発見できる方法がある。 子供を撮ったデジカメの画像を観察するのだ。

網膜芽細胞腫という小児がんを患っている子供は、 写真を撮った時に目の瞳孔が白く写る現象が起きるのだ。 この現象は、小児がんの発病のかなり早期から発現するもので、 病気が進行るほど頻繁に観察されるようになる。

デジカメの写真を観察するだけで、 小児がんを早期発見する手法は、 アメリカの小児眼科の専門医たちが研究し、論文発表した。


すい臓がん,肝臓がん,肺がん,乳がんに効く食品

米国のロバートHルリーがんセンターが、発見したすい臓がんに効く食品は、「ナマコ」。

ナマコは英語で"Sea cucumber"つまり「海のきゅうり」と呼ばれるが、 日本では中華料理の食材として知られている。

中国では何百年も前からナマコを漢方薬として利用してきたが、 その効果は関節炎や炎症性疾患、頻尿、強壮(ED)だった。

米国での実験では、 膵臓(すいぞう)がんのがん細胞に、ナマコのエキスを掛けたところ、 がん細胞の増殖が止まっただけでなく、 5分以内にがん細胞が全て死滅したのだ。

また、乳がんの細胞に対しては、 ナマコが免疫システム中の細胞を活性化して、乳がん細胞を攻撃することが確認された。

これらの実験によって、 ナマコのガン治療への効果が判ったのだ。

これらの抗がん効果は、ナマコに含まれている「フロンドシドA」という成分が 有効であると判った。 ナマコのフロンドシドAは、 95%の乳がん細胞、90%の黒色腫細胞、90%の肝臓がん細胞、 88%の肺がん細胞を死滅されることが実験で確認されており、副作用も無い。

現在では、ナマコの抽出液はサプリメントとして、 液体や粉末化されて抗がん剤治療に利用されている。


ガン転移を完全に抑える

がんの転移を防ぐ物質が発見され、 既にマウス実験ではガン転移をほぼ完全に抑える薬効が確認された。

がんは原発臓器から血液に乗って他の臓器に転移してしまう。 乳がん,大腸がんが、肺や骨に転移してしまうのが、典型的なガン転移だ。

しかし、がん研究会がん化学療法センターが がんの転移を防ぐ化合物を開発し た。

がん細胞が身を隠して別の臓器に移る仕組みを突き止め、発見した化合物の作用 によって、ほぼ完全に抑え込む実験にマウスで成功したのだ。 今後は新薬を人間の体内でも働くよう改良し、 5年後を目処として、がん患者への臨床試験(治験)を開始する予定。

がん治療の画期的な新薬発見となる可能性が高く期待が高まっている。


新しいがん治療法を臨床試験

小児がんに対する新しい治療法の治験が始まる。

ペプチド療法は、免疫力を利用した新しいがん治療法で、 手術、放射線、抗がん剤に続く、第4のがん治療法への期待が高まっている。

今回の治験は、 小児がんへのペプチド療法の効果を検証するため、 3種類のたんぱく質断片(ペプチド)を混ぜて薬剤として小児がん患者へ投与し、 約1年かけて重い副作用がでないかどうかを確認する。 副作用が少なく、治療効果が確認できれば、 延命効果を確認する治験の第2段階に移る予定だ。

子供を対象にした免疫療法の臨床試験(治験)は、 国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で実施される。


陽子線がん治療装置が小型化で低価格化

効果が高く、副作用の少ないがん治療装置の導入機数が増え、 治療費が安くなる可能性が高まっている。

陽子線を使ったがん治療装置は、 がん患部に集中させやすく、肺がん肝臓がんなどのがん治療に効果が高い。 新型の陽子線がん治療装置は、 照射するビーム線量を3倍以上にすることで、 照射時間を最も短い場合で従来の4分の1の約30秒にできようになった。

さらに新型機は従来装置に比べて小型化できたことで、 従来の約70%の大きさとなり、 旧来は40〜50億円と言われた導入費用が大幅に低減されると見られる。

新型の陽子線がん治療装置を開発したのは三菱電機。 2013年度中に厚生労働省に製造販売の承認申請を提出し、早期に販売が開始される見込みだ。

一方、日立製作所でも陽子線がん治療装置を開発中で、 高機能の新型機は2014年秋には、北海道大学病院で治療が始められる予定。

未来のがん治療装置と見られていた陽子線がん治療だが、 多くの医療機関に導入されていくことで、費用も安くなり、 多くのがん患者が安く治療に利用できるようになる日も近いだろう。


膵臓がん の治癒率が良化する

わずか1滴の血液から膵臓がん を見つける新しい診断法が開発された。 2016年までの実用化が予定されている。

同様の診断法はすい臓がんだけでなく、大腸がんでも確立されており、 血液1滴で複数のがんが早期診断できる見通しだ。

開発したのは神戸大と島津製作所。 治療の困難な膵臓がんでも、 早期ならば治療できる可能性が高い。 しかし、自覚症状に乏しいため、早期発見が難しいジレンマがあった。

研究チームでは、「キシリトール」など 4種類の物質を膵臓がんの指標として評価することで、 がん患者と健康な人に区別する明確な診断が可能となった。

従来の技術であるタンパク質を評価する手法では、 早期がんの4〜5割程度しか発見できなかったが、 新しい手法として4種類の物質を総合評価すると8割程度に発見に改善された。

検査に要するのは、「指先の血液1滴」で、 検査費用の目安は現行の血液検査費用と同等の1500円を見込んでいる。

血液1滴の安価な検査で、 主要ながんを一気に検査、早期発見できる検査法の確立は近い。 そうなるとすい臓がんだけでなく、多くの癌の生存率は飛躍的に向上するだろう。


新しい抗がん剤の候補物質を発見

日本が世界に誇るスーパーコンピューターの『京』が、 新しい抗がん剤の候補物質を発見した。

2012年9月に本格稼働したスーパーコンピューターの『京』は、 タンパク質解析の計算を実施し、新しい抗がん剤の候補物質を10種類以上発見した のだ。

今後の抗がん剤新薬開発に期待が高まっている。


前立腺がんのPSAを下げる栄養素

カレーには、ウコンという香辛料が多く含まれており、 ウコンにはポリフェノールの一種である『クルクミン』という成分が多い。肝機能の改善に有効な栄養素として知られている。 クルクミンの持つ胆汁分泌促進作用が肝機能を高めてくれるからだ。

クルクミンは、がん治療にも有効で、 前立腺がんのPSA(前立腺特異抗原)が減少し、 がん発症を抑制する働きや、がん転移を抑制する効果も研究報告されている。

その他にも、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、アルツハイマーなど、 加齢に伴う疾患も予防する働きがクルクミンには確認されているのだ。

二日酔い程度ならカレーライスでクルクミンを摂取するのも良いが、 がんの予防や治療にクルクミンを集中摂取するなら クルクミン入のウコンドリンクやサプリメントの利用も検討に値するだろう。


がん死亡リスクが減る食べ物

クルミやアーモンドなどのナッツ類が、 がんのリスク減少に有効との研究結果が発表された。

スペインでの調査によると、 7,000人以上(年齢55〜90歳)の心血管疾患のリスクが高い被験者を対象に、 約5年間の追跡調査が行われた。 その結果、週に3回 28g程度のナッツ類を食べた人は食べなかった人と比較してがんや 心血管疾患やがんなどによる死亡リスクが39%減少することが確認された。 特にクルミは、がんの予防について関連性が高く、 クルミを中心に食べたグループでがんのリスク減少が顕著だった。

がんに対するクルミの予防効果については、 既にマウス実験で実証済みだ。 クルミはナッツ類の中でもオメガ3脂肪酸を特に多く含む食材で、 植物由来のアルファリノレン酸(ALA)の健康効果が脚光を浴びつつある。

クルミのがん予防効果の研究論文は、「BMC Medicine」へ発表された。



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